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TRONTO 1976 COMPLETE

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某月某日

ふとした瞬間に、かつて好きだった音楽を聴きたくなり、そこからチェーン・リスニングしてしまうことがたまにある。
今日がその日であった。ポール・マッカートニー&ウィングスの76年ツアーものが聴きたくなったので、部屋のあちこちに仕舞っていたCDをかき集め、次から次へと聴きほれてしまった。
数年前までは、いろいろとコレクターズCD(ブート)を買っていたが、ここ3年ほどはセミ・リタイアしている。コレクションに比重が傾きすぎてロクに聴いていないことへの自己嫌悪からである。いや、経済的な理由も大きいか。

ウィングス1976年ツアーのライブはオフィシャル盤も出ている。当然のことながら音質もよく、ライブで演奏された曲はほぼ全て収録されていて、これで満足しなければ罰があたりそうなものである。
では、音質の悪いブートをなぜ聴くのか。

それはビョーキだからである。悲しい性なんである。
好きなアーティストの出す音はたとえクシャミであろうと聞いてみたい。
それに、ライブの臨場感を味わうためである。どうしようもない音質のCDも多くあるが、なかには、まるでウィングスが目の前にいるような気分を味わわせてくれるものもある。
そういったCDの一つがこの "TRONTO 1976 COMPLETE"。
音質は当時のオーディエンスものとしてはかなり良好な部類。まあ、「当時のオーディエンスものとしては」という枕詞が曲者であるが、これで不満足なら "OVER BIG APPLE" でも聴いて耳の基準を調節してもらうしかない。所詮は相対的な評価である。比較である。
「この前ピザを食べたとき、ナイフで指を切っちゃったんだよ」といったMCも収録されており、観客と一緒になって「そりゃ大変だったわね」という意味の「オォー」という感嘆詞を発することもできる。
巷では "OVER BOSTON" の方が評価が高いようであるが、私としてはこちらを推したい。

激動の現代に背を向け過去の臨場感にひたるのも、温泉につかるようで気分のいいものである。


そういや、先日の「TVプロレス レスラー大討論」も、ブート業者たちでこういう討論会をやればいいのに、と思いながら見ていた。各系列の業者代表、販売店、マスコミ、ファンなどが参加して「どうなる明日のブート業界」というテーマで白熱の議論を繰り広げる。
「限定販売で購買欲そそってんじゃねえよ!」
「なんだと、てめーんとこはコピーばっかりじゃねえかよ!」
海外の業者さんに参加してもらってもいい。
「税関で没収されたんだから、代金はユーたちが払いなよ」
「じゃっかましい! 取引中止だ!」
こういったやり取りをぜひ見てみたいものだ。
by beertoma | 2004-09-10 05:25 | 音楽(その他)


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