カエターノ・ヴェローゾの音楽を言葉で表現するのは難しい。 と偉そうな書き出しをしてみましたが、私は数枚のアルバムを聴いたのみです。そこから得た印象を言葉にするとこうなります。 どんな人が歌っても美しく聴こえてしまう華麗なメロディ。 どんな曲も美しく聴かせてしまう繊細な歌声。 それらが一体化した音楽。 激しい曲もある。そのときは少しわけがワカラナーイ。 最初の出会いは、"FINA ESTAMPA AO VIVO" というライブ盤です。CDショップの宣伝文句(「ブラジル音楽界の最高峰!」)につられて買ったのですが、ストリングス入りというのがどうにも馴染めなくて、1、2回聴いただけでした。 ここで話は少し脱線いたしますが、ストリングス入りの音楽というものはどうもいけません。ムード音楽っぽくなってしまうというのでしょうか。私などは、「だれだれ ・ウィズ・ストリングス」というアルバム名は、すべて「だれだれ・ウィズ・ポール・モーリア」としか読めません。 成功例は非常に少ないといえましょう。すぐには思い浮かばないくらいです。ああ、そうだ。思い出した。「はぐれ刑事純情派」のテーマ曲。あれはいい。あのトランペットとストリングスのコラボーレーションくらいなもんではないでしょうか。 お話は元に戻ります。不幸な出会いからしばらくした頃、高校時代の同級生に再会いたしました。当時から音楽を真剣に聴いていた男です。彼がいま何を好んで聴いているかは、私の注目するところです。質問いたしました。 すると、カエターノを絶賛する言葉の数々が返ってくるではありませんか。うーん、そうなのか。それなら他の作品を聴いてみよう、と買ったのが上記写真の「ポートレイト」("CIRCULADO VIVO")という、これまたライブ盤です。これにはハマりました。 本日2回目の脱線でございます。 ライブ盤が好きなんです。どうしようもないんです。そりゃ、もちろん、スタジオ録音にもよさがありますよ。作り込まれたものっていうんでしょうか。ぎっしり詰まっている感じがします。じっくり何度も味わえます。 でも、音楽って基本的には「人前でやってなんぼ」のもんではないでしょうか。いや、「人前でやってなんぼ」というよりも「観客の反応がフィードバックしてなんぼ」と言うべきかな。よくわかりませんが、そんな気がします。 ラミパス・ラミパス・ルルルルル。 「ポートレイト」はアコースティックの演奏が主です。 M・ジャクソンの「ブラック・オア・ホワイト」やB・ディランの「ジョーカーマン」といったおなじみの曲を取り上げていることもあって、とっつきやすいアルバムです。これらの曲が、実は、カエターノのために書き下ろされたのではないか、と思わせる演奏をしています。 もちろん、オリジナル曲の数々も美しい。 ポール・モーリアも彼のグランド・オーケストラもいません。
by beertoma
| 2004-09-23 04:53
| 音楽(その他)
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