伊丹十三 「大病人」日記

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「大病人」日記
伊丹 十三 / 文芸春秋

伊丹十三による映画制作日記としては、他にも「「お葬式」日記」、「「マルサの女」日記」があるが、この本がいちばん面白いのではないか。
他の2冊がおもに撮影の日々について書かれているのに対して、ここではアイデアをシナリオにしていく過程に重点がおかれているからである。思いつきが膨らんでいき最終稿のシナリオへと仕上がっていくプロセスがスリリングである。
創作過程の日記、その日記についての編集者との質疑応答、そして最終稿のシナリオ、が収められている。
映画のほうは物足りなさが残ったのであるが、シナリオは読み応えがあった。(というか、シナリオで読むほうが面白かった。)

かなり前から品切れの状態であるが、ちくま文庫あたりで文庫化してくれないものか。

ひどい舞台裏見せてしまってお恥ずかしい限りなんだけど、でもね、ひどくてもともかく書くことが必要なんだね。われわれ凡才は、創造力と批判力とくらべたら、批判力のほうが強くて楽だし、創造力のほうが弱くて苦しいに決まってるんだから、悩んでたら批判力が勝って永遠に書けないに決まってる。だから、ひどくてもなんでも、書く時には批判力を引っこめて書くだけ書く。(P.69)
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by beertoma | 2004-10-13 01:12 | 読書


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