最後から2番目の毒想 倉橋 由美子 / 講談社 倉橋由美子の文章を読むたびに、「さすが中国三千年を生きてきた女性は違う」と思わされる。 もちろん、デーモン小暮ではないのだから実際にはそんなに御高齢ではないのだけれど、行間から三千年の香りが漂ってくるのである。うっかり近づけない気がする。 「最後から2番目の毒想」は、そんな文体がギッシリ詰まったエッセイ集である。何度読んでも飽きがこない。 わ 和魂洋才 明治以後は「和魂洋才」ということがさかんに言われた。しかし文章を書く仕事にとっては、今でも「漢才」は重要である。誰もが平均的な洋才を身につけている時に、決め手になるのは実は漢才である。漱石のように本格的な漢詩が作れるほどの漢才は望むべくもないが、漢文調文体の骨格くらいは体の中に入っていた方がよい。 (P.47 「倉橋由美子のウィット事典」)
by beertoma
| 2004-10-16 01:48
| 読書
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