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スティーヴ・グロスマン

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Boucing with Mr. A.T. / Steve Grossman
Steve Grossman (ts), Art Taylor (ds), Tyler Mitchell(b)

1989年イタリアでのライブ。
スティーヴ・グロスマンは1970年に弱冠18才でマイルスのバンドに抜擢されたサックスプレーヤー。

ジャズは理屈ではない。ナンダカンダア~ダコ~ダいったところで、早い話、ただドバ~ッとやってくれればいいのだ。それを全身でドンと受けとめればいいのだ。
(「マイルスを聴け version6」中山康樹 P.188)

ここでのスティーヴ・グロスマンの演奏がまさしくドバ~ッである。ピアノレス・トリオで豪快に吹きまくっている。グロスマンはこうでなくっちゃ。
90年代始めに同じDREYFUSレーベルに吹き込まれたスタジオ録音の作品(バリー・ハリスのトリオとの "DO IT"、シダー・ウォルトン・トリオとの "A SMALL HOTEL" )と聴き比べてみると、グロスマンがいかにライブの人であるかがわかる。
彼は獣(けだもの)なのである。ライブではサバンナを駆け抜ける猛獣のように生き生きとしているのに、スタジオ録音では動物園に幽閉されているかのように大人しい。

スタジオ録音の作品を聴いているうちに

これはもう駝鳥ぢゃないぢゃないか。
人間よ、
もう止せ、こんなことは。


という高村光太郎の「ぼろぼろな駝鳥」の一節を思い出してしまった。

「誰でもいいからとにかく豪快に吹きまくっているやつを!」というときにうってつけのアルバム。
by beertoma | 2004-10-31 01:38 | 音楽(JAZZ)


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