ダイヤルYを廻せ!
ヤプーズ YAPOOS 戸川純 / Pヴァイン・レコード 曲を好きになるタイミングにはいろいろある。 初めて脳に飛び込んできた瞬間、ビビッときて一目惚れならぬ一聴惚れしてしまう曲。 繰り返して聴いているうちに、どうにも離れられなくなってしまう曲。 何とも思わなかったのに、時間を置いて再会してみたらその良さに気づいた曲。 ヤプーズの”ダイヤルYを廻せ!”に収録されている "Men's JUNAN" という曲は、(私にとっては数少ない)一聴惚れしてしまった曲である。 (ヤプーズは戸川純と彼女の元バックバンドだったメンバーが87年に結成したバンド) 初めて聴いたのは、彼らが「バッハスタジオII」に出演したときである。 (「バッハスタジオII」は、ダウンタウンの出ていたコントバラエティー番組「夢で逢えたら」のワン・コーナー。ゲスト(ロックバンド)が持ち歌をレギュラー(ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、清水ミチコ、野沢直子)と一緒に演奏するというもの) 戸川純がダウンタウン他とどんな絡みをしたかは全く記憶にないが、その不思議なメロディに魅せられ、たまらずCDショップに走ったことだけは覚えている。 歌詞もいい。惚れた男にしつこく付きまとう女性の心情が歌われているのだが、「あんたも私に追いかけられて気の毒ねえ」という冷めた視点もあり、ユーモラスである。 出だしの歌詞は 窓を割って入っちゃったよ おはよう 露骨に嫌そうな顔に Kiss この詞が、セロニアス・モンクを思わせるメロディーラインに乗せて歌われる。「モンクを思わせるメロディー」を、ひらたく言うと「音痴の人が歌っているようなメロディ」。ツカミとしては最高だと思う。 その後は、非モンク的旋律(いわゆる普通のロックの感じ)になり、気分が盛り上がってきたところに、”ど演歌”なサビ。都はるみに追いつけ追いこせとばかりに、戸川純のこぶしがうねる。女の情念をせつせつと歌い上げている。ク~ッ、たまらん! 機会があれば一度お聴きになってください。
by beertoma
| 2004-12-09 01:37
| 音楽(その他)
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