「長く冷たい秋」サム・リーヴズ

a0034898_420697.jpg長く冷たい秋
サム リーヴズ Sam Reaves 小林 宏明 / 早川書房

タクシー・ドライバーが主人公のハードボイルド・ミステリー。

大学時代の友人が自殺した。クーパー(主人公)にとって大切な存在だった女性である。
ところが、彼女の息子は、自殺ではないと言い張る。
クーパーはその少年とともに調査を始める。

ハードボイルドといっても、一人称で語られているわけではないので、そういう文体に抵抗のある人でも読みやすい。
主人公はタフガイではあるが、いつもクールというわけではない。見知らぬ敵から狙われ精神的に参ってしまい、感情的になる場面もある。メル・ギブソンが演じれば似合いそうなキャラクター。

全体的な印象としては、よく出来たミステリーではある。
ストーリーがしっかりとしていて、登場人物もそれぞれ魅力的に描かれている。次々とページをめくり、あっという間に読み終わってしまった。「うまいなー」という読後感。
とくに、アクション・シーンが上手い。畳み掛けるような描写で引き込まれてしまう。読む者に有無を言わせない力がある。思わず「あいたたた!」と言いそうになった。

ただ、その上手さがアダになっているような気がしなくもない。作者の個性がこの作品からはつかみ辛い。(つかまなくったっていいのかもしれないが)
シリーズものの第1作ということだから、これくらいでちょうどいいのかもしれない。
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by beertoma | 2004-12-11 23:54 | 読書


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