「坊ちゃん」夏目漱石

坊っちゃん
夏目 漱石 / 新潮社

<感想>
高校時代に読んで以来ニ度目。
映画やドラマや脳軟化で記憶がすっかり変形されていたことに驚いた。
マドンナは坊ちゃんと会話しない。私の記憶によると、キャサリン・ゼタ=ジョーンズがえなりかずきを手玉に取るような感じで、マドンナが坊ちゃんをからかっていたはずなのに。それに、坊ちゃんと生徒たちは打ち解けないままで終わってしまう。ラストで生徒たちが「先生、東京さ帰らねえでくれろ」と涙ながらに見送るシーンがあると思っていたのに。

この作品の醒めたユーモア感覚は「そして夜は甦る」(原尞)に通じるものがあることを発見。
(以下の引用の箇所がそうだというわけではありません)


御婆さんは時々部屋へ来ていろいろな話をする。どうして奥さんをお連れなさって、一所に御出でなんだのぞなもしなどと質問をする。奥さんがある様に見えますかね。可哀想にこれでもまだ二十四ですぜと云ったらそれでも、あなた二十四で奥さんが御有りなさるのは当り前ぞなもしと冒頭を置いて、どこの誰さんは二十で御嫁を御貰いたの、どこの何とかさんは二十二で子供を二人御持ちたのと、何でも例を半ダースばかり挙げて反駁を試みたには恐れ入った。(新潮文庫 P.69)
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by beertoma | 2005-03-01 18:20 | 読書


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