トーク・トゥ・ハー スタンダード・エディション
/ 日活 トーク・トゥ・ハー (2002) HABLE CON ELLA TALK TO HER 製作国:スペイン 監督・脚本:ペドロ・アルモドバル 撮影:ハビエル・アグィレサローベ 出演:ハヴィエル・カマラ、ダリオ・グランディネッティ、レオノール・ワトリング、ロサリオ・フローレス、カエターノ・ヴェローゾ <ストーリー紹介> (WOWOWのプログラムガイドより解説を引用します) 「スペイン映画界が誇る鬼才、P・アルモドバル監督による究極の愛のドラマ。ともに愛する女性が昏睡状態にあるふたりの男。やがて出会った彼らは、互いの境遇を語りだし・・・。」 <感想> 興味深く拝見し、最後にほんのりと感動しました。見方によっては噴飯物の、えげつない話なのに不思議です。 ストーリーの中心部分だけを見せるのではなく、別の角度から光りを当てているというか、さまざまなもの(他の芸術、スポーツ、あるいは、これまで作られた映画)を利用・引用しながら物語をふくらませている、それが功を奏している、という印象を受けました。 スペイン風ちゃんこ鍋という感じでしょうか。アルコールも入ってます。お腹一杯になって、しかも、ほろ酔い気分にもなれる一品です。 一般的に、アメリカ映画はとてもわかりやすくできています。どのシーンのどのセリフ、どのしぐさにも全て意味があり、見る側はそのルールに乗っ取り、何も考えずに楽しむことができます。 ところが、フランス映画はどうでしょう。わけのわからないシーンやセリフが数多くあります。フランスにはフランスの「わけ」があって、それをアメリカ映画の「わけ」で断罪するのは間違っているとは重々承知しているつもりです。しかし、私の場合、身体は日本人でも脳はアメリカ人です。この文章だって英語で書いているつもりです。そんな私がアメリカ的見方をしても許されるのではないでしょうか。 話を続けさせていただきます。フランス映画には「わけのわからないもの」があちこちにあります。話が進むにつれ、「わけのわからなさ」がどんどん溜まっていき、終わるころには、それらが不満となって爆発してしまいます。 つまり、私の言いたいのは、 この映画にもフランス映画と同様、わけのわからなさが満ち溢れている。ところがどっこい、それらが不満となって爆発することはない。それどころか、それらがうまく昇華されて、感動にまで結びついている(ように思える)。何故だろう? ということなんです。 不思議な映画です。 あと、カエターノ・ヴェローゾが歌を披露するシーンがあったのには、驚きかつ感動いたしました。 なにせ、動くカエターノを見たのが初めてなもので。
by beertoma
| 2005-03-07 22:31
| 映画
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