果てなき船路 (1940)
The Long Voyage Home 監督:ジョン・フォード 製作:ウォルター・ウェンジャー 原作戯曲:ユージン・オニール 脚本:ダドリー・ニコルズ 撮影:グレッグ・トーランド 出演:ジョン・ウェイン、トーマス・ミッチェル、イアン・ハンター、ウォード・ボンド、ミルドレッド・ナトウィック、バリー・フィッツジェラルド <ストーリー紹介> 商船グレンケアン号の乗組員たちの物語。 <感想> 冒頭のシーンが印象的。南の島を思わせる、ゆったりとした音楽をバックに、甲板から遠くを眺める船員たち、椰子の木に寄りかかる娼婦たち、のカットが交互に映し出される。 マックス・キャッスルの映画はこんな風だったのではないか、と思わせるシーンであった。(マックス・キャッスルは『フリッカー、あるいは映画の魔』(セオドア・ローザック 文春文庫)というミステリ小説に出てくる架空の映画監督) 『傷だらけの映画史 ウーファからハリウッドまで』(蓮實重彦、山田宏一 中公文庫)によれば、この映画の脚本は、ユージン・オニールの一幕物の戯曲4本を組み合わせたものらしい。「幕末太陽傳」が何本かの落語を組み合わせて作られたようなものか。 一本筋の通ったメインのストーリーで引っぱっていくのではなく、ダラダラとした感じで話が進んでいく。(そのダラダラ感が気持ちいい) グレッグ・トーランドによる「表現主義的な光と影の画づくり」がストーリーにマッチしていた(ような気がする)。
by beertoma
| 2005-04-01 00:02
| 映画
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