わが町 (1956)
監督:川島雄三 原作:織田作之助 脚本:八住利雄 撮影:高村倉太郎 出演:辰巳柳太郎、南田洋子、三橋達也、殿山泰司、大坂志郎、小沢昭一、高友子、北林谷栄、大倉万智子 <ストーリー紹介> 戦前から戦後にかけて生きた豪放磊落な明治男・佐渡島太吉の半生記。 <感想> 佐渡島太吉、通称たーやんは、デリカシーというものが全くない。家族の幸せを考えずに行動してしまう。 いや、彼なりには考えているのだが、それがあまりにも野生の思考であるため、結果として何も考えていないのと同じになってしまっている。 彼の人となりが現れていたシーンは、例えば、こんな具合。 太吉の孫娘が学校でイジメられ、泣いて帰ってくる。それを見た近所の天ぷら屋の主人は、慰めようと揚げたての天ぷらを食べさせてやる。そこへ太吉が通りかかる。事情を何も知らないにもかかわらず、孫娘が天ぷらを食べているのを見ただけでこう怒鳴る。 「くされ天ぷら食わしやがって! 腹こわしたら承知せんぞ!」 戦前の大阪の下町の様子が描かれていて、それだけでも見る価値は十分にあった。 ところどころに落語的なおかしさも散りばめられていて退屈しない。
by beertoma
| 2005-04-30 05:44
| 映画
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