「戦場に消えたカメラマン」

某月某日

アテネ五輪の見すぎで頭の中が「スポーツスポーツわっしょいわっしょい」になってしまっている。
先日、「戦場に消えたカメラマン」という映画を録画した。アキ・カウリスマキ監督ということなので見ておこうと思ったのである。ところが鑑賞してみると、" Directed by Elie Chouarqui " とクレジットされている。綴りが違うような気がして番組表を見直せば、そこには「監督:エリ・シュラキ」と記されていた。
なぜ読み間違えたのか不思議であるが、オリンピック期間中のことなのでボケていたのかもしれない。

ストーリーのほうはタイトルそのまんまである。
1990年代初め。アメリカ人のカメラマンが旧ユーゴスラビアの紛争地帯に行く。戦場の写真を撮るためである。
やがて、そのカメラマンが死亡したという知らせが妻のもとへ届く。夫の死を信じられない妻は、彼を助け出すために戦場に赴く。
というもの。

まあ、冷静に考えれば、カウリスマキが扱うような題材ではないのだけれど。でも、私としては、だからこそ見たかった。カウリスマキ作品は「レニングラード・カウボーイ・ゴー・アメリカ」と「浮き雲」しか見たことがなく、どちらもイマイチだったので、この題材ならばと期待したのである。
個性のきつい監督が、ある種の迎合(?)をして、とっつきやすいストーリーで撮った作品が好きなので、テリー・ギリアムなら「未来世紀ブラジル」よりも「12モンキーズ」、ジム・ジャームッシュなら「ダウン・バイ・ロー」「デッドマン」よりも「ナイト・オン・ザ・プラネット」、フランソワ・トリュフォーなら「終電車」「ピアニストを撃て」よりも「日曜日が待ち遠しい!」となる。ここに、カウリスマキなら「浮き雲」よりも「戦場に消えたカメラマン」と付け加えるはずであったのに。

「戦場に消えたカメラマン」の感想は、まあそれなりによくできている作品でしょう、というものである。甘ったるい話にすることなく、戦争状態の恐ろしさ、やりきれなさというものがズシリと伝わってくるようには作ってある。
ただ、「どうしてもこの作品でないと」といったものはないように思われる。もちろん、ユニークなものを持っている作品の方が少ないのであるが。

誰しも戦争について考えるべきであるから、その入り口の一つとしてはこの作品などいいのかもしれない。オリンピックボケのリハビリとして。


戦場に消えたカメラマン(2000)
HARRISON'S FLOWERS
監督:エリ・シュラキ
出演:アンディ・マクダウェル、エイドリアン・ブロディ、アラン・アームストロング
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by beertoma | 2004-09-01 01:42 | 映画


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