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日本×ヨルダン

某月某日

アジアカップ準々決勝の日本×ヨルダンを見る。PK戦の醍醐味を満喫した。高校野球の横浜×PL学園を見たときのような、「いいもの見させてもらった」という満足感があった。

地上波で見ていたのだが、日本選手へのあの凄まじいブーイングはどこまで本当なのだろうか。プロ野球中継などでも、外野席の応援が放送局によって全く違って聞こえることがある。視聴者の中国に対するイメージを操作しようとして、テレビ局が音量を調節しているのかもしれない。まあ、これは勘繰りすぎだとしても、「テレビはしょせんテレビはしょせんテレビ」という呪文を忘れないようにしなければ。
ブーイングがテレビで見る以上にひどいものだったとしても、日本代表がたくましくなるチャンスと考えればいいのかもしれない。
って、選手は大変でしょうけど。お疲れさまでした。
# by beertoma | 2004-07-31 23:45 | その他スポーツ

「高い窓」 レイモンド・チャンドラー

某月某日

「長いお別れ」に比べて登場人物が多彩で話の展開も早い。素直に楽しめた。
ただ、話を広げすぎて収拾がつかなくなったのか、最後のまとめ方に強引さを感じる。ひょっとして、チャンドラーは何も考えずにタイプライターの前に座り、書きながらストーリーを考えていたのだろうか。

マーロウに事件を依頼するマードック夫人が濃いキャラクターで印象に残った。

「マーロウさん、私ははっきりものをいいますよ。でも、気にしないでくださいよ。あなたが私のいうことを気にするようだと、あなたは役に立たないんです」
私はうなずいた。とくに返事はしなかった。
彼女は突然笑い出した。それから、げっぷをした。かるいげっぷだった。大げさなげっぷではなく、いつものことなので気にもとめていないようだった。



「高い窓」 レイモンド・チャンドラー _a0034898_1524516.jpg高い窓
清水 俊二 訳/ 早川書房
スコア選択: ★★★★

# by beertoma | 2004-07-31 02:39 | 読書

古都からん・ころん

某月某日

FNS27時間テレビ「楽しくなければテレビじゃないじゃ~ん」 のビデオを見る。リアル・タイムで見たほうが面白いのだろうが、CMなどを早送りにしたいので録画での視聴。

「クイズ生マジオネア」
今田耕司がさほど面白くなかったのが意外だった。番組の雰囲気に飲まれてしまい進行するのに一杯一杯という印象。アウェイの番組で最年長者だったためか。
「ファイナル・アンサー?」からの間が長すぎる。早送りで対処。

「生・笑わず嫌い王 with とんねるず」
木梨憲武の一言「古都からん・ころん」に爆笑。その名を聞いた瞬間、無意識のうちに復唱しようとしたが、「こ」と言ったきり全身の力が抜け笑い転げてしまった。
笑い飯があまり面白くなかったのが意外。基礎的な演技力の部分での弱さを感じる。あのネタを中堅以上の芸人がやればかなり笑えるのではないか。まあ、あのシチュエーションでの漫才をとやかく言うのは間違っているのだろうけど。

「さんま・中居の今夜も眠れない」
うまい具合にハプニングも起こり、それなりに笑えた。ただ、これからもっと面白くなるというところで終わったのが残念。さんまはあそこからだと思う。
# by beertoma | 2004-07-29 23:38 | お笑い

バズ・ラーマンの「ラ・ボエーム」

私はクラシック音楽に造詣が浅い。駄耳というのだろうか。最初に聞いた演奏がオリジナルに聴こえてしまう。
例えば、モーツァルトの交響曲第39番。ムラヴィンスキーの指揮が素晴らしいとどこかで読んだので、レニングラード・フィルのライブ盤を購入、繰り返し聴いた。ここまではいいのだが、それ以降どの指揮者の演奏を聴いても、「あ、ムラヴィンスキーのカヴァーやってる!」としか思えなくなってしまった。「ムラヴィンのはもっとヴァイオリンがキュインキュインしてるんだよねー。やっぱオリジナルがいいよねー」などと考えてしまうのである。
これではいけないと思うのだが、どうしようもない。
また、オペラがクラシック音楽の部分集合かもしれない関係上、ぐらぐらの三段論法により、オペラにも造詣は浅い。全曲聞いたことがあるのは、「ラ・ボエーム」「トスカ」くらいである。

というのが、以下の感想がトンチンカンなものであるかもしれないことの言い訳です。

オペラでの歌手の表情はゆっくりと変化する。歌手は曲にあわせて歌うことで、セリフの内容を伝える。喋れば数秒で伝わることも、歌えばその何倍もの時間がかかる。スローモーションで喋っているのと同じことであるから、顔の動きもスローになる。
ところが、このバズ・ラーマンの「ラ・ボエーム」では、歌手の表情はゆっくりとは変化しない。自然に動く。歌っているときはまだいい。受けにまわったときの顔の動きが、まるでテレビドラマのようなのである。歌っているミミの口から出るのはスローモーションのセリフなのに、ロドルフォやマルチェロの表情が目まぐるしく動く。次にロドルフォが歌いだすとミミが普通に反応する。
ブラウン管に人の顔が映し出されて表情が動くと、無意識のうちにその意味を解読しようとしてしまうので、このギャップに違和感を抱いた。もっとも、これは劇場に足を運ぶ観客用の演出であり、クローズ・アップをビデオに収録することまでは考慮されていないのかもしれない。しかしそれにしても、細かく動きすぎていると思う。

また、演出がところどころそっけないのも気になった。例えば、第一幕の、ミミがいったん部屋を出ようとして 「あら、ついうっかりして。どこかに部屋の鍵を」 と言いながら反転する場面である。ここでの演出があまりにもアッサリしすぎていたように思う。ミミが身体全体で音楽を押し出しているように振り返ってほしいのに、まるで音楽などこの世に存在しないかのような反転であった。これでは、 ♪ ふりむぅーかないでー、大阪のひーとー ♪ である。


ラーメン専門店の麺と比べるとインスタントラーメンにはコシがない、と文句を言っているような気もしてきたので、ここいらで撤収。
# by beertoma | 2004-07-26 22:26 | 音楽(その他)

ジェームズ・メイスン

ジェームズ・メイスンは不思議な人である。力士のようにかすれた声というか、芯のない声をしているので、何を喋っても本心を言っているようには聞こえない。とりあえずこうやって会話してるんだけどさ、ほんとは君のこと、ぜんぜん興味がないんだ、と心の中では思っているのではないか。
いったん、こういう偏見を持ってしまうと、彼のセリフがすべて「それで、どうなの、最近?」としか聞こえなくなってしまう。
よくいるでしょ、人の話をぜんぜん聞かない人が。そういう人と久しぶりに会うと「それで、どうなの、最近?」とか質問してくるんだけど、こちらの返事に馬耳東風。まじめに返答しているのに馬耳念仏。
メイスンの声からは、そういう無関心さを感じてしまう。

そういえば、「北北西に進路を取れ」でメイスンが部下のマーティン・ランドーを殴るシーンがあって、そこでの表情や手の動きが高見盛にソックリなのを思い出した。とてもユーモラスです。機会があればご賞味あれ。
# by beertoma | 2004-07-26 00:00 | 映画